花曇&お花見
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我輩のお馬鹿な息子、浪人生
次々の不合格にもめげず
「ちょっと運が悪かっただけだから」
とのたまう
”おいおい、違うんじゃないの?”
挙句に
「来年は大丈夫だから」
”・・来年って・・・何だよ?”
その上
「予備校、調べといて」
”おい、それはお前がやるんだろう”
「この予備校にする、入塾金が割引だって、良かったね」
”なにが、良かったね、だ”
「チャンと勉強しろよ」
「大丈夫、クラスで1番や2番にはすぐなれる」
「・・・」
こいつの根拠の無い自信は何処から来るのだろう?
まったく親の顔が見てみたいよ
である。 ![]()
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若い女性社員
満開の桜の花のカタログをジッと見てる
「どうしたの、お花見?かい」
「あっ、びっくりした」
「桜、咲き始めたみたいだね」
「現実逃避してたんです」
「?」
「カタログで脳内旅行してたんです」
「脳内旅行?」
「現実逃避ですよね~え」
「良いんじゃない脳内旅行、お金掛からないし」
「そうですよね」
またカタログに見入る彼女であった。
さて我輩も脳内旅行でもするか
まだお昼のチャイムには間があるし・・・・
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家に帰ると、妻が
「病院から電話があったわよ」
「?、今日、行って来たばかりだけど」
「今日、ご主人を検査した病院の者ですけど
って言うから、ドキッとしちゃった」
「用件は?」
「重要な検査を忘れたので、また来てください
だって」
”おいおい、なんだよそれ”
「何か問題があるんですか、って聞いたら
そんなことは無いんですけど、
確認したいんだって、心配しちゃった
完全に病院のミスだって、謝ってたわよ」
「・・・」
”やれやれ、また行くのか”
それにしてもいい加減な病院である。
人騒がせは止めて欲しい我輩である。
病院、替え様かな・・・
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ルルル 電話のベルが鳴る
「健康管理室ですが、再検査結果が来てます
至急、専門医に見てもらってください」
”脅かすなよ、なんだよ至急って”
「専門医って何処へ行けば良いんですか」
「内科が有る所なら、何処でも良いと思います」
「再検査受けた病院でも良いんですか」
「良いと思いますよ」
早速、同じ病院に電話で予約
病院ではこの前と違う女医さんの問診
「少し肝臓が腫れてますね、初期の肝炎です」
「ウイルス性ですか」
「ウイルスは陰性です、多分、アルコールでしょう
特に治療は必要ないですよ」
「検査結果に至急って書いてあったんですけど」
「まあ、至急って事ではないです・・・」
”おいおい、至急って書いたのこの病院だよね?”
なんか釈然としないが、もう歳だし
”チョットはお酒、控えようかな” と思う我輩である。
でも、俺って三日坊主なんだよね・・・
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お菓子屋組合の陰謀に乗せられて
ケーキ屋に並ぶ哀れな男性達
もちろん、我輩もそのお仲間・・・やれやれ
せっかく大都会で働いてるんだからと
お返しを奮発、有名ケーキ店で購入
それにしても値段が高い
”クッキー見たいなのが3枚で
俺の昼飯代より高いよ・・・”
意を決して妻と娘へのお返し購入
家に帰り
「はい、これ」
と妻に渡す
「へ~え、高そうね、自分でも食べてみる?」
「うん、そうだね」
一枚を妻から貰い、口に頬張る
「・・・俺、違いの分からない男」
つぶやく我輩に、笑い転げる妻
でも
”コンビニで買ったのと
たいして違わないんじゃないの?”
である。
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会社の掲示板に【懲戒処分】の文字が!?
処分理由が
【人権に対して重大な侵害を行った為】
とある。
会社の同僚に
「これなに」
「セクハラ事件みたいですよ」
ひそひそ、ぼそぼそ、社内中の噂
それからは、何か言うたびに
「あ~っ、それ、セクハラだ」
女性社員たちの過剰反応
「いい加減にしてよ」
「そうですよね、人によるんですよね」
「俺なんか全然大丈夫だよね」
「そうですか~あ、油断しないでくださいよ」
「時々は私達に ご馳走しておいた方が良いよね」
「そうだよね~え、最近、無いし」
何時の間にか奢る話に掏り替わる・・・
ユスリ・タカリって懲戒にはならないの?
我輩のお小遣い少ないんだからね
【オジさんにタカルのは止めましょう】
って掲示して欲しい我輩である。
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大きな道路に面した何の変哲も無いビル
近くにはタバコ屋、食堂とかがゴチャゴチャ
1階部分のお店の看板に DUTY FREE SHOP の文字
”へ~え、こんな所に免税店があるんだ
でも誰が買うんだろう?”
ある日
お店の従業員が大勢歩道に並び、一斉に頭を下げる
”何やってんのかな”
見れば店の前には大型の観光バス
”はは~ん、お客さんか”
”何処から来たのかな”
バスに乗り込む乗客たち、でも言葉が・・中国語?
バスの発車までにこやかに手を振り続ける従業員達
終わるとガラ~ンとした店内に戻ってゆく
昔は日本人が世界中のブランド品を買い漁ったんだけどな
”日いずる国”が衰退、”日ぼっする国”の経済が上昇
栄枯盛衰とは言うが、変われば変わるもんんだね
である。
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「はい、プレゼント」
「なにこれ」
「スーパーの抽選券よ、あげるわ」
妻から渡された青い紙の束
「わざわざ行きたくないよ、どうせ当たんないし」
「たくさんもらったから当たるかもよ」
「自分で行けば~あ」
「面倒なのよね、行かないのなら捨てといて」
「・・・」
結局、抽選会に出かける我輩
”ついでに用事もあるしな・・・”
自分をなぐさめる。
早朝のスーパーはガラーンとしてお客もまばら
抽選会のコーナーの男性社員に抽選券を渡し
「7回引けます」
缶に詰った竹串を引く、その一本に
”あれ、色がついてるぞ”
係りの男性に渡す
「・・・一等賞です」
新潟産コシヒカリ5kg1袋
ガラーンとした店内に響き渡る鐘の音
でも朝からテンションは揚がらず
ちょっと恥ずかしいのであった。
まさかこれで今年の運は終わりじゃないよね
心配な我輩である・・・
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街中の住居用高層マンション
そのビルの入り口に”梅の湯”の看板
”こんな所に銭湯?”
入り口からは”男湯””女湯”の暖簾も見える。
”へ~え、こんな所にも銭湯があるんだ”
銭湯と言えば、高い煙突に古びた神社のような建物のはず
好奇心から裏に回れば、古材がうず高く積まれ
大きな鉄の釜に切り揃えた古材を放り込むおじさん
ごうごうと木が燃える音が響く、昔ながらの釜炊き
”でも煙突って何処にあるんだろうね”
見回すがビルの何処からも煙が出ていないのである。
不思議である。
それにしても銭湯付マンションは中々のアイデア
燃料は産業廃棄物の古材だし、環境にも優しいし
もしかして作業服の釜炊きのおじさんがビルオーナー?
・・人は見かけによらないのである。
今度、入ってみるか・・・・
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