通勤電車の事(不意打ち)
帰りの通勤電車は我輩の読書室
乗客が降りるか降りないうちに乗り込み
空いている網棚にデーパックを載せ
おもむろに単行本を読みふけるのである。
今の愛読書は”水滸伝”
”おっ、梁山泊、宋江ね、ふむふむ”
自分の世界・・・
突然目の前を黒い物体が横切り
手にした本が電車の床に叩きつけられる
”な、なんだよ、誰だよ”
思はず周囲を見渡せば
床に転がる我輩の本とデーパック
何の事は無い、自分の荷物が棚から落ち
我輩を不意打ち・・・
あわてて、周囲の人々に
「すみません、すみません」
と謝るが、無反応、黙殺
結局、自分で自分に謝っただけである
何となくバツが悪いが、そこは年の功
デーパックを網棚に載せ直し
何事も無かった様に本を読み始める我輩である。
でも、今度は落ちないよね
二度三度、そっと確かめる小心な我輩である。
ちょっとオドオドしている我輩を乗せて
何事も無く電車は進むのである。
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